1852年2月2日、メキシコ・アグアスカリエンテス市生まれ。
10代の頃から、銅版画を学び、メキシコ市に移住した後は、アントニオ・バネガス=アロージョの工房で、次々に、新聞や歌本などの挿し絵として作品を発表する。
それまで、ヨーロッパの模倣的な絵画しかなかったとされるメキシコで、先スペイン時代のアステカ・マヤなどの文化の重要なモチーフであった骸骨や髑髏などを積極的に取りあげ、愛情とユーモアに満ちた作風は、当時は芸術とは評価されず、1913年に貧困のうちに亡くなるが、彼の作品は、後のメキシコ壁画運動の立役者となったディエゴ・リベラ、シケイロスなどに影響を与え、現在では、メキシコ近代絵画の父として高く評価されている。バネガス=アロージョの工房も、文化財に指定されている。
その一方で、彼の残した版画のキャラクターは、着飾った髑髏婦人のカトリーナ(ちゃんと名前があるのだよ)をはじめ、メキシコ人にとって知らない者はない、というよりは、日常生活に溶け込み、深く愛されている。