天使のための歌 (Para Un Angel)
どうしたら、物語の中で、
海のヒトデが空を飾ることができるように
解き放してやることができるだろう
海のマリア、水のマリアよ
あなたが弓矢をつがえるとき、
あなたの山裾の花の中で見失った
森の瞳から私は自由になれるだろう
虹のマリア、視線のマリアよ
どうしたら、天使を愛することができるだろう
翼を持たないままで
夢を見ることが罪ではなく
どうしたら、あなたの首から
栗色の縮れ毛のハープの音を
解き放つことができるだろう
どうしたら、あなたの体を鳴らすことが
できるだろう
和音のマリア、ピアノのマリアよ
むなしくあなたを捜す時のなかで
どうしたら、自分の掌をみつめなくてすむだろう
どうしたら、あなたの触れるペンになれるだろう
狂気のマリア、マリア、君の手
砂漠に生えるサボテンになりたいと
思わずにはいられない
あなたの風から逃れるために
あなたが草々の間を通るとき、
あなたの帽子を吹き飛ばす
烈風になりたいという想いから
どうしたら解き放たれるだろう
詩のマリア、蝶のマリアよ
たしかに私たちは (Lo Cierto Somos Nosotros)
ほかに比べられるような愛じゃない
情熱的な情熱でもない
それはとてもシンプルで自然な感情
すべてを捧げるというのではない
そんなのはきっと悪い終わり方をする
それはどこか柔らかく
絶え間なく、終わりもない
虚飾も嫉妬もなく
ましてや共謀するわけでもなく
天から真実が振ってくるとも思わない
ただ確かにいえることは
同じ場所で同じことを考えている
べつに理想の愛じゃない
かといってまったく成り行きというわけでもない
ただ二人は愛し合っていて
同じ習慣を持っている
ただ確かにいえることは
同じ場所で同じことを感じている
あふれる愛 (Tanto Amor)
あなたを私の心の中に抱いているわ
私の悦楽、私の誘惑
あなたの側にいたい
炎、祝福
あなたのことはわかっている
そして、私は幸せ
あなたの声に捕らわれて
あなたの視線と暖かさが私を絡めとる
あなたの体は強い要塞
私の惑星、私の海
それは祝祭、私の隠れ家、謝肉のまつり
ほかに何を言うことがあるだろう
感じるだけで十分、心が痛む
どんな言葉で呼べるだろう
これほどにあふれる愛を
2輪のくちなし (Dos Gardenias)
2輪のくちなしをあなたに
そしてあなたに言いたい
あなたを愛していると、慕っていると
我が命よ、こちらを見ておくれ
あなたの心と私の心がどうなるか
2輪のくちなしをあなたに
くちづけの熱さが伝わっているわ
わたしの口づけこそ他の誰よりも熱いのだから
あなたのそばで生き、あなたに話しかけるでしょう
まるでわたしがそばにいるかのように
そして、愛していると言っているような
気さえするでしょう
けれど、あるたそがれに
私の愛のくちなしが枯れるなら
それは他の恋人のために
私の愛を裏切ったからだと
気づくからでしょう
後ろにあるもの (Que Hay de Detras)
心には音楽が、体は熱く潤い
澄んだ決意、その献身
それをどれほど愛していたことか
それなのに、悪霊に取り憑かれた
狂信的な、邪な男が、
彼女の心をとらえてしまい、
それを誰も気にしないなんて!
このぼくの人生から、あの視線を奪い
通りすがりに、僕の枕を奪い取る
夢ばかり見ていた男への報いさ!
あの無垢で、曇りなく
熱く、潤い、魔法のような、赤紫の乙女に、
なんて残念な問いかけ、後ろに何があるのだろう?
あの下品な、皮肉屋で、冷酷で、毒があって
戦闘的で、邪な男について
ぼくは問いかける、その後ろに何が?
僕の夢想的な、たぶんロマンティックな
輝き、堅く、現実的な人生って
この灰色の都市のもとで
そのうしろには何がある?
涙を流すひとに (Vencida Lagrima)
月の照り返しのなかで
たくさんの宝を抱いたあなたの心に触れるには
理解するだけで十分
私の愛はあなたの美徳すべてには値せず
ただの人間への心でもないのはわかっている
月の照り返しのなかで
あなたのまなざしは安らぎ
与えられすぎているほどにそれは気高い熱情
あなたのまなざしは月の光
嫉妬で目がくらむ人もいるだろう
あなたの感情は何かを縛るものではない
私の腕においで、愛しい人
涙を流す人よ、こちらに
あなたの魅惑と美徳とともに
私を哀れんでおくれ
わたしのすべて (Todo y Nada)
私の人生にあるものすべて
私の隠されたやさしさも、生きてゆく夢も
すべてあなたにあげて、私は満足
あなたの想いが、私から離れないならば
けれど、あなたは私を愛してはいない
だから、私の差し上げるすべてのものは
あなたにとってなんの意味もない
あなたを崇める希望すら死んでしまう
すべてを持っていながら
あなたにあげられるものは、なにもない。
心について話そう (Hablo de Un Corazon)
狼が来るよとふざけた少年がいた
そんな物語があって結末がある
太陽が出るのを喜びながら
暗闇を好んだ
そんな心について話そう
赤い桃のような
塩とレモンと
さとうきびのラム酒をどうぞ
陰口に笑うことも忘れても
花を見れば楽しくなる
まるで蜂鳥が熱狂するように
獅子の皮をまとって歩きたがる
そんな心について話そう....
鉱物のように堅いと思われても
それはただのガラスの殻
生のふれあいの中ではじけてしまった
そんな心について話そう....
愛の事々の前で
よそよそしく、野蛮に思われても
金属の楯も砕け散る
君の声の呪文の前で
そんな心について話そう....
眠るあなた (Duermes)
夜
静かな夜
あなたの体は静かになった
裸で、眠っている
お眠り
愛撫のあとで
淡い微笑みが
あなたの顔に
浮かんでいるわ
雨が降っている
しばらく前から
降り注ぐシャワーのように
降り注ぐ快楽のように
お眠り
私があなたの夢を見守ってる
唇にはまだ
あなたの愛の果実の味が
残っているわ
愛しい人
こんな女 (Esta Mujer)
歌うことがわたしの快感
私の命、私の仕事
歌っていて、できあがったのが
こんな女
歌っているときの私がいちばん
他になにを言うことがあるかしら
歌っていれば私の唇は
愛で満たされる
歌うことが私の挨拶
私の挑戦、私の幸運
歌っていればこそ
私は満ちて輝く月
歌っているから私には声がある
そして言葉をつかまえるの
歌うことが、体の奥で
値打ちあるものを種蒔くの
私は一時の風なんかじゃない
だって、私は嵐そのもの....
歌うことがわたしの快感
私の命.....